数学学習のなかで「わかる」ことと身体感覚は密接です

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頭でわかることが”わかる”ことではない。

このことの重要さを疎かにすると、どこかで躓くことになりがちです。

とくに、算数・数学では、ここが誤解されているように思うのです。

バレエをしている女性のグレースケール写真

人は身体全体で物事を把握し理解する。

特に日本では「腰腹文化」といわれるように物事を身体の感覚に例えて理解し、困難な課題に対しても腹を割って話し合い、腰を据えて取り組んできました。

 腹がすわった人とは、自分の生き方に十分納得していてぶれない人であり、頭で考えたことが身体感覚として「わかっている」人のことです。

人は身体全体で情報を受け取った場合と、視聴覚情報だけを受け取った場合での理解には差があります。

昼間の裸の木の近くの赤と白の寺院

 教える現場で日々実感することは、教科学習においても身体丸ごとの情報を組み立てた方が知識の定着率は高くなります。そして身体活動と連動させた方が理解も定着も深まります。

小学校3・4年生で習う四則演算は、身体感覚として数字を把握できるぐらいまで沢山の計算ゲームを体験することが大切です。

例えば「引き算」で例えると、2桁の引き算ぐらいまではまず全員が理解して正解も導けます。でもなぜか時間に圧倒的に差が付きます。

 沢山の計算体験を積み、数字が 10 や 5 の拠点から、どのくらい多いか少ないかを瞬時に把握できている場合と、ゆっくり計算してなんとか計算できるば場合では倍、いやそれ以上の時間差が出ることもあります。

白い紙にペンを書く黒の長袖シャツの女性

大学受験を経験した人は実感としてわかると思いますが、「計算が速い人は、問題を解くための考える時間が多く取れます。」「計算が遅い人は、問題に取り組むだけで時間が過ぎ去り、ほとんど考える時間が取れません

得点力の差は、意外と計算の速さつまり計算が身体感覚として身に付いているかどうかの差になりがちです。つまり「できる人」「得点力のある人」は身体感覚として”わかっている人”でもあるのです。

やはり、ものごとは頭でわかったからOKではなく、身体感覚として丸ごと捉えて理解し「深くわかり」「使いこなせる」ことがきわめて重要です。

茶色の木製のテーブルと椅子

その一方で、教育現場は本当に忙しい。放課後に残して訓練する時間などほとんど取れません。

当たり前のことですが、忙しさのあまり黒板と言葉、良くてもビジュアルを加えて知識を教えるので精いっぱいの現場で、一人ひとりに知識を身体感覚まで落とし込む作業時間は確保することができないのが現実だと思います。

 保護者の立場からすると「体験し経験を積み重ね、様々な事象を”身体感覚で分かっている”」ことが重要だからこそ、塾に行かせたり・習い事にいったり・クラブに入ったり・・・様々な体験は血となり肉となります。

ピアノレッスン、音楽、キーボード、ピアノ、ピアニスト、練習

例えば算数の「比と割合」で躓いている生徒でも、サッカー少年の場合は、全力で近づいた時のゴールの見え方や、自分に迫ってくるボールが大きく見えてくる様を実感しているので、その身体感覚と連動できれば頭の中と体験感覚がつながり、「比と割合」の説明を意外と簡単に理解してくれます。

サッカーをしている少年

同じ文章でも、黙読のときと音読・朗読のときには理解度に圧倒的な差が出てきます。

ものごとは、身体感覚として丸ごと捉えて理解し「わかる」ことがきわめて重要です。

 だからといって、強制しても”本当にわかる”ことにはつながりません。

あくまでも、主体的に体験し経験として蓄積されるからこそスキルが身に付き「わかり」「使いこなせる」様になります。

 結局、”わかる”が血肉化するためには「自分でやる」「自分で体験する」ことでしか身に付きません。

 強制的に授業・講義を受けさせても、自分でやらない限り身にはつきません。教科学習は一人ひとり到達度が違います。つまり「面白い」と感じることが異なります。でも面白いと感じ、自分からやらない限り身に付かないのが教科学習。

 そこが悩ましいところです。

 身体感覚と学習の関連を理解したパーソナルトレーナーがいれば最強です。オンライン家庭教師を始めたキッカケはここにあります。

 秀才はどんな田舎にもいます。自分で面白さを発見し、自分から訓練や体験を重ね身体感覚として”わかる”場合は塾や予備校などまったく必要ありません。自分で学習の三段階(理解=>整理=>記憶)をやりきれるなら飛躍的に伸びます。

 IT技術の発達、情報通信社会の一般化のなかで記号としての情報を得る手段の飛躍的発達の反面、身体感覚をもって腑に落ちた理解が弱くなっている現状を何とか打開したいと考えるこの頃、Webの活用により、頭と体のハイブリッドで風穴をあけることが出来るのではないかと考えています。

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